細菌編Vol.3。
今回は予告通り、グラム陰性菌についてお話ししようと思います。
グラム陰性菌の代表と言えば、ビブリオ症を引き起こすビブリオ属細菌ではないかなと。
海水魚を飼っている方なら、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ビブリオ・アングィルラルム (Vibrio anguillarum) やビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus )など、
魚介類に感染するビブリオ属細菌は、世界に14種知られています。
そもそもこれらのビブリオ属細菌は、海水中などの水中には多く存在する常在菌です。
さらに、ビブリオ・アングィルラルムは魚介類の消化管内に存在します。
人間で言う、腸内細菌みたいなものですね。
ではなぜ、そんな身近な細菌が病気を引き起こしてしまうのでしょうか?
それは魚も人間と同じで、免疫力が落ちたりや体に傷があるとそこから病気を発症するからです。
例えば、、、
魚同士のケンカや網で取り上げる際などにできた傷などに、ビブリオ属細菌が感染するケースが多くあります。
傷口の鱗が逆立っていたり、赤くただれていたらビブリオ症を疑ってください。
またビブリオ症の怖い部分は、内臓ビブリオ症に感染することです。
内臓ビブリオ症は、ビブリオ症に感染した傷口を他の魚が突くことで感染します。
体表に症状が現れない為、発見がとても難しいのです。
他の魚に感染させない為にも、傷がある魚がいたら隔離することをおすすめします。
ビブリオ症であれば、エルバージュなどの薬浴が効果的ですので、行ってみてみてください。
人間もそうですが、魚も免疫力を上げ病気にかからない体を作ることが大切なのです!!
最後にビブリオ・アングィルラルムの写真をパシャリっと。
「前回と同じじゃん」や「見えない」とは言わないでください、、、
私の使っていた顕微鏡は、これが最高倍率だったのです。
次週で細菌小話を一区切りしようかなと考えているのですが、
華々しい最終話をなにで飾るか、、、
こうご期待ください!!
タイトルに突如現れた『キセジョ』とは、、、
寄生虫研究女子の略称で、リケジョ (理系女子) のように流行らないかと密かに狙っております。
ちなみに私キセジョは学生時代、トラフグの寄生虫とマダイの免疫について勉強しておりました。