皆さん、お疲れ様です!繁殖コーナー担当のタイユーです!
本日の沼津は今朝土砂降りでしたが、お昼前あたりから雨が上がり
蒸し暑い日となりました。
コロナもそうですが、熱中症対策も気を配ってお出かけを
楽しんで頂ければと思います<(_ _)>
では本日の主役はこちら!
こちらはウミウシのⅠ種、ハルゲルダ・バタンガスの卵です!
ウミウシは巻貝の仲間で、後鰓類(こうさいるい)と呼ばれる種となります。
パッと見てカタツムリのように貝殻は見えませんが、体内に小さな貝殻を
持っている種類が多いです。
生息域は広く、ほぼすべての海域や淡水域にいるとされており
餌によって生息域が限定されます。
また後鰓類は鰓(えら)が心臓より後方にあることが特徴で
このウミウシの写真では手前が頭で、奥にある黒い花のような部分が鰓になります。
ウミウシの仲間は雌雄同体(しゆうどうたい)と呼ばれる繁殖活動をします。
簡潔に説明すると、1匹のウミウシがオスとメス両方の繁殖器官を備えており、
2匹いれば繁殖活動ができる種類となっております。
そんなウミウシですが食用としての価値はなく、観賞用として
多く流通しております。
また最近の研究ではウミウシが食べたものが薬品に
役立つ可能性があるということで研究が進んでいます。
2匹いれば繁殖ができることから「増やすことが容易なのでは?」と
思われる方がいらっしゃるかと思いますが、実はウミウシは長期飼育が
非常に難しい点があります。
上記に記させていただいた通り、ウミウシの生息地は餌に依存します。
つまり種類によって食べる餌が決まっている超偏食な生き物なので、
飼育、繁殖の際にはそのウミウシが食べられる餌の確保も必須となります。
ウミウシは人気が高く研究者の方も多い生き物ですが、餌の問題で
長期飼育や繁殖事業に関してはあまり進んではいません。
会社の水槽内でも知らないうちに入ってくる種類もいますので、
そのような身近な種からウミウシ繁殖に挑戦できたらと思います。