生体防御・ワクチン編Vol.3
今回は予告通り、適応(獲得)免疫についてです!!
まず名称なのですが、適応免疫と獲得免疫どっちとも呼ばれます。
今回は混乱しないように適応免疫で統一します。
さて適応免疫の特徴といえば、特異性の高さです。
前回の自然免疫は、特異性が低く病原体が侵入したとき、すぐに攻撃するのに対し、
獲得免疫は特定の病原体に攻撃します。
そのため、初めて侵入する病原体には反応できません。
自然免疫から、「こんな病原体が侵入してきた」という連絡を受け、病原体を記憶します。
記憶することで、次に同じ病原体が侵入した際により早く、またより強く攻撃できるのです。
また、適応免疫は脊椎動物のみが持ちます。
適応免疫では、T細胞とB細胞と呼ばれるリンパ球が中心的な役割を持ちます。
この2つのリンパ球はどちらも脊髄で生産されます。
ちなみに、脊椎動物の中で進化の遅いサメやエイなどの軟骨魚類と進化が進んでいる私たち哺乳類では、
同等の適応免疫のシステムを持っており、軟骨魚類の時点でほぼ完成させているのです。
また、無脊椎動物や無顎類の生物(ヤツメウナギ等) には適応免疫関連の組織や分子は全く見られません。
軟骨魚類と無脊椎動物の間に、ここまで劇的に適応免疫が発達しているのです。
このように、私たち人間やお魚の体な中では複雑で高度な免疫が働き、
体から病原体を排除しているのです。
奥深くて面白いですね!!
次回以降は、T細胞とB細胞のお話しとワクチンについてになりそうです。
ワクチンまで先が長い、、、