キセジョのこぼればなしー生体防御・ワクチン編Vol.4ー

キセジョのこぼればなし, ブルーコーナーマガジン 

生体防御・ワクチン編Vol.4
先週ちょこっと登場したT細胞とB細胞について、ちょこっと深堀してみます。

 

まず、この2つはリンパ球の一種となります。
大きいくくりですと、白血球の一種となります。

 

 

①T細胞
T細胞は、骨髄で産生された未熟なリンパ球が胸腺で分化・成熟します。
ちなみにT細胞のTは胸腺を意味するThymusのTからつけれています。
このT細胞には、ヘルパーT細胞(Th細胞)と細胞傷害性T細胞(Tc細胞)の2種類が存在します。

 

ヘルパーT細胞(Th細胞)は、「こんな病原体が侵入してきた」と連絡を受け、活性化します。
また、Tc細胞やB細胞、自然免疫を活性化させます。
Th細胞は、免疫を動かす役割を持つ、司令塔のような存在ですね。

 

一方細胞傷害性T細胞(Tc細胞)は、ウイルスに感染した細胞や病原体の細胞など、
自分以外の細胞を破壊する役割を持っております。キラー細胞なんて呼ばれることもあります。
Th細胞により活性化されます。
どうやら、Th細胞がいなくても活性はできるケースもあるそうですが、やはりTh細胞がないと活性化されにくいそうです。
司令塔がいるからこそ、攻撃部隊が強くなるのですね。

 

 

②B細胞
B細胞は、骨髄で産生されます。
骨髄を意味するBone marrowが由来となります。
病原体の侵入の連絡を受けたTh細胞からの指令により、
その病原体に適した抗体を持つB細胞とTh細胞が協力して抗体を作ります。
この抗体により、様々な免疫システムが作動し、病原体を攻撃します。
また、一部のB細胞はこの病原体を記憶し、次に同じ病原体が体内に侵入した際に素早く反応・対応します。

 


そして、ここに出てきた2種類の細胞がワクチンにおける重要な細胞となるのです!!
そのお話しは、来週にしましょう。

 

 

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