皆さん、お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです!
2週間ぶりとなってしまいましたが今回は『志摩マリンランド』さんでも話題にあがっているこちらを紹介したいと思います。
こちらはミカドウミウシの卵になります!
ちなみに生みの親であるミカドウミウシがこちらになります。
ミカドウミウシは最大60cmまで大きくなると言われている大型のウミウシです。
英名では『スパニッシュ・ダンサー』と呼ばれており、その由来は体をくねらせて泳ぐ姿がフラメンコの踊り子のように見えたことから名付けられたそうです。
こちらのウミウシは日本近海にも生息しており、成体はもちろん卵も『海の赤い薔薇』の異名でダイバーに人気です。
そんな観賞魚業界ではスターなミカドウミウシですが食べる餌に含まれる毒素を蓄積してしまうため食用としては価値がありません。
人気のあるミカドウミウシですが、繁殖,長期飼育が非常に難しいです。
まず真っ先にぶつかる問題が餌の確保です。ウミウシの仲間の多くは海綿(カイメン)と呼ばれる固着性の生物を餌とします。そのカイメンにも種類があり、ウミウシによっては決まったカイメンしか食さない種もいるそうです。よってミカドウミウシをはじめ多くのウミウシを養殖,長期飼育するためには餌となるカイメンの種類を特定し、永続的に与えられる状態にしなければいけません。
過去に『鳥羽水族館』さんでは水槽内にいた石灰カイメンの仲間を集めミカドウミウシに給餌していましたが、ひたすらカイメンを探し集めていたと記録されておりこのことから餌の確保の大変さが伝わってまいります。ただ産卵は飼育中によくみられるので、カイメンの安定供給が実現できればミカドウミウシの養殖も現実にできるかと思います。