繫殖コーナー#37 キンチャクガニ編

繁殖コーナー 

皆さん、お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです!

早速ですが今回もチャレンジしてみたい生体をご紹介させていただきます!

 

 

こちらはキンチャクガニの抱卵個体になります!

キンチャクガニは大きさ1cm程の小型のカニで、水深20m以浅の岩の亀裂などに生息しています。

白とオレンジの体色も特徴的ですが、最大の特徴は常にハサミ足でイソギンチャクを挟んでいることです。

このイソギンチャクの毒を利用し外敵から身を守っていると考えられています。

キンチャクガニはその大きさから食用としての価値がありませんが、観賞用としての価値が高く流通しております。

水族館やショップなどで見る機会は多い本種ですが、謎多きカニとしても有名です。

まずカニに挟まれているイソギンチャクの種類ですが、カニハサミイソギンチャクが多いとされています。しかしこのカニハサミイソギンチャクはキンチャクガニに挟まれている以外に自然界で見つかった記録がありません。

また過去の実験にてイソギンチャクを失った場合残りのイソギンチャクをちぎって増やす、または他のキンチャクガニから奪い取るなどの行動を起こすことが判明しております。

これらのことから「キンチャクガニはどのタイミングでイソギンチャクを入手するのか?」「自然界で見つかったことのないイソギンチャクをどのような方法で手に入れるのか?」などキンチャクガニの最大の特徴である部分が謎に包まれております。

この謎に近づくためには幼生期からの観察が欠かせないと思いますので、今後も観察を継続していきたいと思います。