皆さん、お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです!
1週間ぶりになりますがさっそく本題に行きたいと思います。
こちらはイセエビの稚エビになります。
イセエビは熱帯域の浅い海に生息するエビで、高級エビの代名詞として多くの日本人に知られています。
昼間は岩穴の中などに潜み、夜になると獲物を探しに活動します。肉食のため貝類やウニ類などを好んで食べます。
イセエビの天敵はイシダイやタコなどがあげられます。ただタコに関してはタコを捕食するウツボと共生することで身を守ることがあるそうです。人間も例外ではなく、諸説ありますが平安時代から水産資源として漁獲されている記録もあります。
これほど価値のあるイセエビの繁殖、養殖に関する研究や実験は数多く行われてきましたが、流通量を賄えるほど養殖事業は成立しておりません。様々な問題点がありますが代表として成長の遅さがあげられます。
イセエビは孵化後フィロソーマ幼生、プエルルス幼生、稚エビと段階を踏んで成体になります。フィロソーマ幼生はイセエビとは思えない程平たく透明な体をしており、1年ほどプランクトンのように浮遊生活を送ります。その後プエルルス幼生、稚エビと成長しますがこの時点で1年1ヵ月ほどが必要です。さらに食用で用いられるようなサイズ(20cm程)になるまで約3年かかるとされており、長期飼育が必要なことから完全養殖が難しくなっております。
最近でもイセエビの密猟がニュースになっておりネットなどでも捕獲方法が載ってたりと、ウナギ同様保全が難しい生物になっているように思えます。規制や監視を厳重にすることも大切ですが同時に完全養殖を実用化できるよう、飼育研究できればと思います。