皆さん、お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです!
今回は少し気になった生体を題材にしたいと思います。
こちらはマガキガイになります。
マガキガイは房総半島以南の太平洋からオーストラリア近海までの熱帯、亜熱帯域に分布しています。
国内では浅い砂地から水深20m程の岩礁域や砂地にまで生息し、苔状の藻類などを食べています。
観賞魚業界では苔や砂をキレイにしてくれる点から「掃除屋」として人気があります。
また一部地域では食用として流通もしており、貝を持つとギザギザの蓋を振り回すことから「チャンバラガイ」と言われてもいます。
生息域が浅いということで海で捕って食べる人もいるそうですが、猛毒の針を出すイモガイに似ているため不用意に触らないことをお勧めいたします。
現状そこまで珍しい生体ではありませんが飼育下で増やすことができれば食用としても利用価値があり、種苗生産の研究もありましたので簡潔にまとめさせていただきました。
まず繁殖シーズンは5,6月が最も盛んで8月に終わりを迎えるそうです。雌雄は分かれており小さい卵が詰まった卵塊を産むそうです。生まれた幼生には付着珪藻などを給餌したそうです。この実験では約5万匹の幼生が生まれ親と同サイズになった個体は約800匹になったそうです。餌の量や環境にもよりますが2か月程で成体サイズになるとのことです。
飼育経験は幾度とありますが意識して飼ったことがないため、現状の飼育下で繁殖はできるのか、コスト面は見合っているかなどを意識しながら今回得た知見を活かしていければと思います。