皆さん、お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです。
早速ですが本題にいきたいと思います。
こちらはネコザメ(ブリード個体)になります。
ネコザメは水深150mより浅い岩礁域や藻場に生息する底生性のサメの仲間です。
歯がすり鉢状になっており貝や甲殻類の殻を砕いて食べる食生活をしており、別名「サザエワリ」とも言われています。
特徴的な顔立ちやおとなしい性格が魅力的ですが、ドリルのような黒い卵を産む面白い特徴もあります。
産卵期のネコザメはこの卵を1度に2個産み落とし、数週間にわたって最大16個程産み落とします。
このドリル状の卵の形は岩場や海藻などに引っ掛かりやすいため、海流に流されないようになっております。自然界では産んだ場所に引っ掛けるものがない場合、親が卵を銜え場所を移動させるなどの行動も見られているそうです。
そんなネコザメは食用としては流通していないものの、漁師の網によく引っかかるからかたまに活魚として売られております。また静岡県県内の一部スーパーではペットとして飼われているケースもあります。
観賞用としては長年大人気の種で、サメを飼ってみたいという方は必ずといっていいほどお声のかかる種になります。入手もしやすく価格もお手頃ということで愛されていますが、近年捕獲量が落ち養殖個体が非常に重要となっております。
ネコザメの養殖は多くの水族館が行っており記録も数多くあります。私も学生時代の研修先で養殖ネコザメの世話をやらせていただきました。そのころの思い出になりますがネコザメの繫殖自体はそこまで難しくないものの、偏食のため餌の確保が問題と学ばせていただきました。写真の子達や研修時の子達もですがイカしか食べない等の問題があり飼育員を困らせておりました。
ネコザメの繁殖は挑戦していきたいですが現状餌となる種の安定した入手が難しくなっておりますので、代用できるものはないかなど今後を見据えた繁殖方法も見つけられればと思います。