お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです。
早速ですが本題に入りたいと思います。
こちらはアオリイカの赤ちゃんになります。ちなみに下の卵から生まれた子達になります。
アオリイカは日本全土の温かい海域に生息しており、地域や生息水深によって白色や赤色などの個体差があります。
生息域は港や磯など非常に幅広いのですが、産卵期になると潮当たりの良い海藻域や岩礁域に集まります。
アオリイカは昔から食用として非常に価値が高く、昨今の価格高騰がニュースになるほど重要な種です。
人気の衰えない本種ですが、寿命が1年~1年半で飼育が難しいため観賞用としてはあまり認知されておりません。
そんなアオリイカですが数多くの研究がされており、私も学生時代に実験のお手伝いをした経験があります。
その経験の中で1番大変に感じたことは餌についてです。アオリイカは非常に食力旺盛で、1日4回にわけて給餌を行っていました。また基本的には活餌にしか興味を示さないため、餌となるエビなどを管理する作業もありました。そのうえイカは共食いの習性もあることから、小さい個体がどんどん襲われ最終的に何百匹が数匹になるケースが多くありました。共食いによる減少は水槽を分けることである程度回避はできるもののその分作業量も増えますので、餌問題はイカを飼育する上で非常に重要なポイントとなります。
他にも飼育する際に大切なことはいくつもの研究で判明しておりますが、その中で水槽内で飼育した個体が産卵し孵化した記録や研究はあまりありません。手間やコストを考慮した場合簡単にできることではありませんが、うまく生まれた子達を大きくし記録に残していければと思います。