今回の世界の海ザッピングは3週間前に紹介したCoP19の続きになります。
続きとは言っても、結果報告に近い形ですかね。
ブルーコーナーに関係するところで言うと、以下の3つの種類の生物が議論の対象になっていました。
Carcharhinidae spp.(メジロザメ科全種)
Rhinobatidae spp.(サカタザメ科全種)
Sphyrnidae spp.(シュモクザメ科全種)
結果から言うと、どの種類についてもCITESに登録されることが決定しました。
正直なところを言うと、悲しい気持ちが大きいですかね。
以前からCITESに記載されている生物は仕方ないにしても、更に追加された生物が多くなって、海外から生物を輸入しづらくなってしまいました。
最近で言うと、ブラックチップシャーク(Black Tip Shark:Carcharhinus melanopterus)もそのCITESの中に含まれることになります。
海外の有識者や学者さんの言い分的には50年で全体の3分の2の種が絶滅に瀕してる、または数が激減しているとのことです。
こればっかりは科学的な統計で出ているのでしょうから、一概に否定できるものではないので、何とも言えないですが…。
ブルーコーナー的には海外から貴重な生き物を輸入して、日本の水族館さんなどで展示してもらえれば、世界のいろんなサメを知ることができるいいきっかけになりますし、逆に、日本のサメを世界のたくさんの人に知ってもらう機会が減ってしまうというのは寂しい事かなと思います。
(もちろん、生物の多様性を守るため、豊かな地球を後世に残すために必要な行動の一つかなとは認識していますが…。)
この採択が決定してから60日後に有効になるので、来年の2月頃からは輸出入を行う際はCITESの発行が必要になってくるのではないかと思います。
以下の画像が、COP19でCITESのAppendix IIに含まれまた(include in Appendix II)と記載され、コメント欄にAdopted(採用された)というのが確認できます。
https://cites.org/sites/default/files/documents/E-CoP19-89-01-R1.pdf
上記に記載されているメジロザメ科とシュモクザメ科の簡単なリストをWikipediaから拾ってきましたので、こちらも添付しておきますね。
【シュモクザメ科】
【メジロザメ科】
【メジロザメ科のメジロザメ属のリストを下記に載せています】
更に2022年11月27日(日)の朝日新聞朝刊にも今回の規制でヨシキリザメが輸出することができなくなったので、フカヒレの原料となるヨシキリザメを採取するのが難しくなるという記事が載っていました。
こちらも参考にしてください。
国内で採取して消費する分には特にCITESだからと言って規制がかかるわけではありません。
しかし記事の様に公海で採取してしまうと、CITESに係ることになるので注意が必要です。
また、「留保」している国同士で貿易(国と国で取引をする)分には、一応問題はないのですが…。
生き物を保全していくことはとても大事なことですが、本物を見ることができなくなったり、今まであった文化が無くなる可能性があるということを考えるととても寂しい気持ちになりますね。
限りある資源をどう守って、文化も含めて次の世代にどう引き継いでいくことが大事なのか。大切なのか。ちょっとでも考えるきっかけになればと思います。
ありがとうございます。