キセジョのこぼればなしー細菌小話Vol.2ー

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こんにちは。今回はグラム陽性菌について掘り下げていこうと思います。

 

グラム陽性菌とグラム陰性菌の違いとは??

そもそも、この2つの違いはなんでしょうか?
この差は、細菌の細胞に存在する 細胞壁 の違いに関係しています。
(ちなみに、動物の細胞は細胞壁を持っていません。)

グラム陽性菌はペプチドグリカン層と呼ばれる厚い細胞壁を持つのに対し、
グラム陰性菌は薄いペプチドグリカン層と外膜からなる細胞壁を持っています。

グラム陰性菌はこの細胞壁の構造により、人が持つ病気に対する防御機能が働きづらく、
グラム陽性菌と比べ病原性が高いのです。

 

グラム陽性菌代表

先週グラム陽性菌による魚病の例として、レンサ球菌症を上げました。
レンサ球菌症は主にサケ・マス類やヒラメなどによくみられる病気で、
ストレプトコッカス・イニエ(Streptococcus iniae)という細菌により引き起こされます。

レンサ球菌症の症状は、腹部膨満・出血や眼球突出、腸管の炎症などが挙げられます。
夏場の高水温や、ギンザケの養殖では淡水から海水に移す際などに発症し、
大量死を引き起こすことから養殖業界では大きな問題となっています。

今ではエサに混ぜて使う薬やワクチンが開発されていますが、
各養殖業者さんも過密飼育や餌を与える量を調節するなど対策をされています。
魚も人と同じで3蜜を避けたほうが、病気にかかりにくいのですね。

 

下の写真は顕微鏡写真となります。
小さい黒点がストレプトコッカス・イニエです。
初めて見たとき、私はゴミだと思いスルーし「細菌がいなくなってる」と騒いでいました。
もちろん先生に注意されたのは言うまでもありません、、、

 

 

次回はグラム陰性菌について、お話しできればと思います。